おじさん型お助けロボット「夢丸1号」は病院にいた。
とある病院に散弾銃を持った男が
立てこもっているという情報が入ったからだ。
さぁ、今度の事件はどうやって解決するのか?
犯人 「要求を伝える。誰かいないのか」
夢丸1号「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりですか?それともお持ち帰り?」
犯人 「はぁ?お前、ふざけてるのか???」
夢丸1号「すまん。さっきまでマクドナルドでバイトしてたもんで・・・」
犯人 「銃持ってる奴に注文するとは肝が据わってるな。」
夢丸1号「誰が、キモいだと!!失礼な!!」
犯人 「肝が据わっているって言ったんだよ!!」
夢丸1号「君が座っているだと? 霊でも見えるのか?」
犯人 「・・・もういい。お前は警察か?」
夢丸1号「交渉人だ。ところで質問があるのだが・・・」
犯人 「何だ?」
夢丸1号「どうしてもっと美人の女性を人質に選ばなかったんだ?」
犯人 「ええ? お前はこの女性が美人じゃないと言うのか?」
夢丸1号「ちゃんと向かい合って確認してみろ!」
確認中・・・・・
犯人 「本当だ・・・」
夢丸1号「美人じゃないと俺は交渉しないからな!」
犯人 「ちょっと待て。え~っと、あ、お前が人質になれ!」
夢丸1号「その女性もダメだ。お前の美的感覚を疑うぞ。」
犯人 「なにっ!俺の美的感覚がズレていると言うのか。」
夢丸1号「誰がズラだって!? 失礼な。」
犯人 「もういい! 要求は金だ。金を用意しろ。」
夢丸1号「金? いくら欲しいんだ?」
犯人 「一億。ビタ一文まけないからな。」
夢丸1号「一億ならここにある。受け取れ!」
犯人 「これは・・・宝くじじゃないか。当たっているのか?」
夢丸1号「10日後に抽選だ。」
犯人 「ふざけるな!だったら当たるか当たらないかわからないじゃないか!!!」
夢丸1号「当たらないかもしれないが、当たるかもしれないぞ。」
犯人 「えっ?」
夢丸1号「宝くじは買わないと絶対に当たらないが、1枚でも買えば当たるかもしれない。」
犯人 「何が言いたいんだ?」
夢丸1号「可能性の問題だ。お前もやり直せるって事。」
犯人 「・・・・やり直せる・・・」
夢丸1号「今のままでは変わらないが、新たな一歩を踏み出せば明るい未来が待っている。」
犯人 「俺は取り返しのつかない事をしてしまった・・・」
夢丸1号「大丈夫だ。そのオモチャの銃では人は傷つけられない。」
犯人 「わかっていたのか・・・」
夢丸1号「あぁ。引き金のところにホイザラスの値札が付いたままだぞ。」
犯人 「本当だ。おれってなんてドジなんだ。」
夢丸1号「それはいいけど、もっと女性の見る目を養え!」
犯人 「今度の人質は美人だと思うけど・・・」
夢丸1号「ダメだ!ダメだ!! 本当の美人を教えてやるから付いて来い!」
犯人 「え?警察へは・・・」
夢丸1号「おれは警察じゃないからな。そんなことより早くしろ!」
こうして夢丸1号は男を連れて病院内の美人な看護婦さんを探し回ったのでした。
その間に人質になった美人ではない看護婦さんは逃げることが出来たけど、
内心、複雑だったとか。
めでたし めでたし
次の事件につづく